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場づくりを成功させるための5つの鍵 #0 Introduction 場づくりの技術を身につけよう

お寺で行事やイベントを開催する際に、「場づくり」を意識していますか?

寺子屋活動を続けていくと、集う人たちのコミュニティが形成されます。中から継続的な協力者が現れたり、お寺を活性化させるための大切な要素となります。
しかし、人が集えば相性があわないこともあるでしょうし、トラブルが発生する可能性もあります。居心地の良いコミュニティを維持していくには、ホストとしての役割が重要になってきます。

寺子屋活動をきっかけとした「居場所としてのコミュニティ」を継続していけるかどうかは、場を提供する住職・副住職の肩にかかっていると言っても過言ではありません。

そこで、お寺の住職や副住職があまり意識せずに行なっている「場づくり」について専門家にお聞きする連載をスタートします。

著者の舟之川聖子さんはもともと「コミュニティを運営するようなタイプではなかった」そうですが、ご自身の人生の経験から「場づくり」を意識して行なうようになった方です。読者の皆さんと同じ目線から、寺院での「場づくり」に資する技術を語ってくださいます。

2018.08.17 FRI 14:12
執筆 舟之川聖子
PROFILE

舟之川聖子(ふなのかわ せいこ)

場の設計者・守人・相談員

滋賀県生まれ。東京在住。関係や交流を大切にする場と、場をつくりたい人をサポートしている。 2011年より場づくりを学び、ワークショップデザインやファシリテーションのプログラム開発、講座講師、ブッククラブや百人一首のコミュニティ運営に携わる。舞台や展覧会の鑑賞対話会、映画上映会、オンライン読書会、読み聞かせ、一箱古本市、ポッドキャストなどの活動を通して、多種多様な場の可能性を日々探求中。
http://hitotobi.strikingly.com/

わたしが「場」という言葉、概念に出会ったのが8年前。自分自身の生き方の変更を迫られる中で、地域で対話の場をつくりはじめたのがきっかけです。難しさも喜びも経験しながら、人が大切にされる、可能性がひらかれる、この世になかったすてきなものが人と人との関係から生まれる…そんな場の存在に希望を感じ続けています。

場づくりにおいて よくあるつまずき

住職や副住職の皆さんの中で、
・この場所を活かして地域の人たちに集まってもらえることをしたい!
・今までお寺にご縁のなかった人たちも来てほしい!
・まちにこのお寺があってよかったと言われるような、地域に貢献するお寺になりたい!
との思いから、行動を起こしておられる方々がここ数年で急激に増えてきました。

わたしのような、菩提寺を持たない市民としては、心の拠り所がふえるという点で、お寺がひらかれていくのはとてもうれしいことです。

しかし、お寺の方々が実際に活動をはじめたときに、つまづくことや悩むこともたくさん出てくるかと思います。

例えば、
・イベントのお知らせをしても人が集まらない。
・参加者同士でのつながりが生まれない。
・単発ではきてくれるけれども、リピート参加してくれない。
・ネタ探しに疲れてしまった。
・講師やイベント共催者とうまく連携がとれない。
・参加者との距離感をうまくつかめない。
などは、場づくりの現場でよく起こる状況ですが、コンテンツの魅力がないのか、自分の力量不足なのか、一体何が原因なんだろうと考えこんでしまうことがあると思います。

あるいは、はじめてみたくても経験がない、やり方がわからないので一歩踏み出せない、成功している人を見ると自分にはとても無理なのではないかと思ってしまう、などもあるかもしれません。

場づくりは誰にでも学べる「技術」

まず皆さんにお伝えしたいのは、場づくりはカリスマ性やリーダーシップのある一部の人だけのものではない、ということです。

場づくりでもっとも大切なのは、人を圧倒する力ではなく、場と場に集う人々を守ろうとする意識です。わたしはその意識を持って場をつくる人のことを「守人(もりびと)」と呼んでいます。守人は、場に集う一人ひとりがどうしたら楽しく居心地よく自分らしくいられ、来てよかったと満足してもらえるかを考え抜く人です。

守人として場をつくり運営していくためには、温かな思いだけではなく、技術を採り入れながら進めていくことが欠かせません。よい思いを持っていれば必ず人が集まるわけではなく、人が集まればよい交流やつながりや活動が自然に生まれるとは限りません。

目的をもち、意図をもって設定と設計をし、言語および非言語で表現し、人と対話する技術をもち、自らふるまい、場に反映させていくことで、はじめて人に伝わり、人と共有できる価値が生まれ、その人らしい場づくりができてきます。

場づくりを成功させる5つの技術

場づくりは人との関係づくりです。華々しく活動しているように見える方々も、地道にトライアンドエラーを繰り返しながら日々取り組んでいるはずです。

お寺から発信する、働きかける活動においては、新しいお寺、新しい自分へバージョンアップしながら取り組んでいくことが求められます。それは、ある程度決まった型のある儀式を依頼され、滞りなく催すこととは全く異なる営みです。難しい局面もあるかもしれませんが、場づくりに取り組むことでいつのまにか自分が育まれている、という何にも代え難いギフトがあります。

場づくりを成功させるための鍵になる、5つの場づくりの技術をこれからお伝えしていきます。皆さんが日々の寺子屋活動を考える、なんらかのきっかけになれば幸いです。

今後の記事ラインナップ

#1 なぜわたしは場をつくるのか
#2 交流とつながりは場の設計が肝心
#3 また行きたい!と思える場をつくるには
#4 分かち合うための表現を鍛えよう
#5 安心、安全な場のために知っておきたいリスクの話

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