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お寺のためのクラウドファンディング術 #5 クラウドファンディング実践編・プロジェクト終了後の動き方

2019.09.20 FRI 13:10
執筆 菅本香菜
PROFILE

菅本香菜(すがもと かな)

旅するおむすび屋 / 株式会社CAMPFIRE LOCAL・FOOD担当

1991年、福岡県北九州市出身。熊本大学卒業後、不動産会社での営業を経て、食べものつき情報誌『くまもと食べる通信』の副編集長として活動。熊本震災後に上京し株式会社CAMPFIREに転職、LOCAL・FOOD担当として全国各地のクラウドファンディングプロジェクトをサポートしながら日本の魅力発信に努める。本業の傍ら2017年5月に、旅するおむすび屋『むすんでひらいて』プロジェクトを立ち上げた。2019年3月に独立。フリーランスとして、食に関わるイベント企画・運営やライター、クラウドファンディングサポート等を手がける。

メディア出演 : NHK「人生デザインU-29」など

みなさん、こんにちは。
旅するおむすび屋 兼 クラウドファンディングキュレーターの菅本香菜です。

本連載ではクラウドファンディングの基本から、立ち上げ方、広報方法までお伝えしてきましたが、今回が最終回です。
今回は、クラウドファンディングの“その後“についてお伝えします。

クラウドファンディングは、公開期間が終わったらそれで終了ということではありません。
クラウドファンディング終了後に、どのように動くかが、パトロン(クラウドファンディング支援者)が活動を継続的に応援してくれるかどうかを左右します。
クラウドファンディング期間の緊張が解けて思わず忘れてしまいがちなポイントについて、いくつかお伝えしていきます。

① リターンを履行する際に意識すること

クラウドファンディング終了後に大切なのは、パトロンの気持ちを裏切らないのはもちろん、”支援者“から”ファン“にできるかどうかということです。
そのためのファーストステップとして大切なのがリターンの履行です。

▪️リターン履行予定時期をしっかり守る
クラウドファンディング実行時に、リターンそれぞれの履行予定時期を記載します。
このリターン履行時期を案外忘れがちで、パトロンから「まだリターンが届かないのですが」という問い合わせをもっているプロジェクトもあるようです。
リターン履行時期を忘れないよう、プロジェクト開始時にカレンダーに書いておくなどの工夫をしておくことをオススメします。

▪️リターンに喜んでもらうひと手間を
クラウドファンディングのリターンによく同封する「お礼のお手紙」。支援者が多ければ多いほど準備が大変で、Wordで作成した手紙を印刷して終わらせることが多いと思います。ただ、それだけでは少し味気ない。そこでおススメなのは温度感の感じられるお礼の手紙です。手書きの手紙を印刷し、最後に一言だけでも一人一人にメッセージを添えると喜ばれます。
また、喜んでもらえると「こんなリターンが届いたよ」と、パトロンがSNSで拡散してくれる可能性も高くなります。

ちなみに、私が旅するおむすび屋を立ち上げた時に、リターンに同封した手紙がこちらです。支援していただいた資金で全国を巡ったので、その様子が分かるような通信を作成、手書きのメッセージを添えました。
たくさんの方が通信+リターンをSNSに挙げてくださったり、旅するおむすび屋のSNSアカウントをフォローしてくださったりしたので、リターンのひと手間の効果があったと言えるかと思います。

参考プロジェクト:https://camp-fire.jp/projects/view/32231

② クラウドファンディング終了後も定期的に活動報告を

▪️プロジェクトの進捗を伝えるためのSNSを準備しましょう
クラウドファンディング終了後の動きを発信していく場として、SNSを活用しましょう。リターンのお礼のお手紙などに、SNSアカウントのQRコードも一緒に記載すると手紙を読んだ際にフォローしてくれる確率が高まります。
リターン履行前にアカウントを準備しておくことをオススメします。

▪️“活動報告機能”を活用しましょう
クラウドファンディングのプロジェクトページ上で、活動報告を行えるようになっているプラットフォームがほとんどですので、こちらの機能をしっかり活用しましょう。
クラウドファンディング期間中に活動報告をアップして、終了後は特にアップしないという方もいらっしゃいますが、「あのプロジェクト、結局どうなったかな?」と思われているパトロンに「お陰でこんな風に進んでいます」と報告すると喜ばれることが多いです。
活動報告をアップすると、パトロンが登録しているメールアドレスに通知がいく設定になっていますので、活動報告に目を通してくださる確率も高いです。(注:プラットフォームによって異なる場合があります)
せひご参考になさってください。

以上です。

参考として上記挙げましたが、クラウドファンディング終了後にできることはプロジェクトごとに様々な形があると思います。
大切なのは、いかにパトロンに丁寧に感謝の気持ちを伝えるか?今後も継続的に応援したいと思ってもらえるか?を考えることです。
難しく考えすぎず、パトロンの方々の顔を思い浮かべ、楽しみながら考えてみてください。

ここまでで、全5回に渡る連載は終わりとなります。
かなり細かい点までお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

クラウドファンディングは、挑戦したことに対して誰もが声を上げられる場です。
私は、目標金額の達成だけが成功ではないと考えています。
例えば、自身の絵の個展を開催するためにクラウドファンディングに挑戦されたプロジェクトオーナーさんから、こんなお話を聞かせてもらったことがあります。
目標金額には届かなかったものの、たまたまプロジェクトページをご覧になったアトリエオーナーさんがその絵に感動し、アトリエを無料で貸してくださり夢が叶ったそうです。

できない理由を並べることは簡単ですが、一歩踏み出してみれば何かが動くはずです。

クラウドファンディングはあくまでひとつの手段でしかないですが、世の中にとってのお寺の価値を高めるひとつのきっかけになれば嬉しく思います。

全5回に渡り、お付き合いいただきありがとうございました!

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旅するおむすび屋 / 株式会社CAMPFIRE LOCAL・FOOD担当

1991年、福岡県北九州市出身。熊本大学卒業後、不動産会社での営業を経て、食べものつき情報誌『くまもと食べる通信』の副編集長として活動。熊本震災後に上京し株式会社CAMPFIREに転職、LOCAL・FOOD担当として全国各地のクラウドファンディングプロジェクトをサポートしながら日本の魅力発信に努める。本業の傍ら2017年5月に、旅するおむすび屋『むすんでひらいて』プロジェクトを立ち上げた。2019年3月に独立。フリーランスとして、食に関わるイベント企画・運営やライター、クラウドファンディングサポート等を手がける。

メディア出演 : NHK「人生デザインU-29」など

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